💐『腸内フローラ検査』を導入しました💐2020/08/23(日)
こんにちは。院長の木下です。
今日は人体における極めて重要な役割をしている『腸』に関するお話です。皆さまは『腸内フローラ』をご存知ですか?腸内フローラとは腸内には細菌が住みついていて、電子顕微鏡でみるとまるで植物が群生している「お花畑(flora)」のようにみえることから腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれるようになりました。
私たちの体の中に腸内細菌は100兆個、1000種類以上いるといわれています。また、腸内フローラは1人ひとりで異なっており、同じ腸内フローラを持つ人間は他に存在しないと言われています。
善玉菌や悪玉菌という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、乳酸菌やビフィズス菌などに代表される善玉菌は食べ物を分解するほか、腸に集中している免疫力を活性化させるなど、健康に役立つ働きをします。大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌は、脂質や動物性たんぱく質を好み、腐敗させて毒素を発生するなど病気のリスクを高めます。
この2つに加えて、腸内細菌で一番多いのが日和見菌です。日和見菌は腸内の善玉菌・悪玉菌の、優勢な(多い)方に味方します。一般的には善玉菌:悪玉菌:日和見菌は2:1:7の割合となるのが理想的といわれていますが、加齢や食習慣の乱れで、理想的な腸内環境を保つことは難しくなってくるのです。
従って、悪玉菌より善玉菌が多い『腸内フローラ』に整えることが健康への第一歩となるのです。
最近の研究によると太りやすい、痩せやすい体質は「腸内細菌」が決めると言われています。成人の腸内細菌は「バクテロイデス」と「フィルミクテス」の二つの種類が優勢となっています。バクテロイデスは善玉菌を好む日和見菌といわれています。フィルミクテスは発酵食品に含まれている菌や皮膚に常在している菌、土壌菌です。
腸内細菌は食べ物を分解するときにさまざまな物質を排出します。バクテロイデスが食べ物を分解すると排出される短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて血液を通じて全身に届けられます。この短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけると脂肪の取り込みが止まり、肥満を防いでくれるのです。逆にフィルミクテスは食事から取り込むエネルギー量が多く、そのため肥満に結びつきやすいといわれています。
肥満の人と健康な人の腸内フローラでは大きな違いがあり、肥満の人ではフィルミクテスが多く、バクテロイデスが少ないことが明らかにされているのです。
これらの研究結果から、腸内フローラによって太りやすいかどうかが分かれてしまうのと同時に、太ることで腸内フローラも悪化すると考えられるのです。
続いて、病原菌やウイルスなどが体の中に入ったときに身を守ろうとする免疫機能についてお話します。『腸は免疫力を司る臓器』と言われており、そんな重要な役割を担う免疫細胞の約70%は腸に存在しています。言わば、外敵の侵入を防ぐ免疫細胞の訓練場でもあり、免疫の機能を万全な状態で働かせるためには腸内環境が重要なのです。腸はまさに『全身の免疫本部』なのです。『強い免疫力』を保つために、新型コロナウイルス感染症が拡大している昨今『腸内フローラ』を見直し健康な生活を送りたいものですね。
前置きが長くなりましたが、当院ではTV番組『NHK WORLD』や『主治医が見つかる診療所』などでも紹介された最新の腸内フローラ検査『Mykinso Pro』を導入しております。検査は被験者のご自宅での採便となります。ご自身のタイミングで採便をしていただくので負担が少なく検査可能です。検査をご希望の方は医師またはスタッフにお声掛けください。